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耳鳴りの東洋医学的タイプ別のツボの選び方

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東洋医学の耳鳴りツボの選び方

耳鳴りの捉え方が西洋医学と東洋医学で全然違う

西洋医学では自覚的耳鳴り、他覚的耳鳴りといったように耳鳴りの状態を明確に区別します。
東洋医学では難聴を伴わない耳鳴りを「軽症」、難聴を伴う耳鳴りを「重症」というように難聴を伴うのかどうかによって耳鳴りの程度を判断します。

耳鳴りで重要な東洋医学の考え方

耳鳴りが起こる前提として、「臓腑」にあるのか?「経絡」にあるのか?ということが重要視されます。
東洋医学では臓腑に病の原因があるものを所生病といい、経絡に病の原因があるものを是動病と言います。
臓腑の病=所生病は病状が深く慢性的な症状になっている状態と言えます。
経絡の病=是動病は病状が浅く急性期に現れる症状ですが、放置していると治療が困難になったり、臓腑の病=所生病に発展するために早期の治療を意識する必要があります。

証と治法

鍼灸にしろ、漢方にしろ「証」を決めないとツボも漢方薬の処方も何も決まりません。
「証」は耳鳴りなら耳だけをみるのではなく全身の体質や風邪によって耳の異常が起こったのかなどを判断して決めていくものです。
「証」が決まると自然と「治法」を決めることができます。
耳鳴り→診察→「証」の決定→「治法」が導き出される→「ツボ」と「刺激方法(補瀉)」を選択する
といった流れになります。

耳鳴りの証・治法・症状・ツボ

証:風熱襲肺 治:清宣肺熱

症状

難聴、耳鳴り、耳のつまり感、鼻詰まり、鼻炎症状、頭痛、発熱

ツボ

大椎:風寒邪の侵入を防ぐとともに、気血水を巡らし発汗や呼吸を補助する。

肺兪・膻中:肺兪と膻中で肺気を補い、胸の詰まりを改善し咳を止める。

魚際:刺絡によって肺熱を瀉する。

豊隆:去痰する。

漢方薬

桑菊飲

証:肝火上炎 治:瀉肝清火

症状

頭痛、めまい、耳鳴り、難聴、顔面紅潮、目の充血、睡眠障害、多夢、怒りっぽい、口の渇き、便秘、便秘、脇の灼熱感、口の苦み

ツボ

陽陵泉・行間:肝胆の経絡の気血を巡らし、肝火を瀉する。

侠谿:肝胆の熱を取り除く。

厲兌:肝の子の胃経の熱を瀉する

風池:去風と利湿で眼の症状を改善する。

漢方薬

当帰竜薈丸

証:肝陽上亢(肝腎陰虚) 治:滋陰潜陽

症状

頭痛、めまい、耳鳴り、目の充血、顔のほてり、イライラ感、睡眠障害、多夢、動悸、健忘、下半身のだるさ、頭が重い

ツボ

腎兪・肝兪・復溜:肝腎の陰虚を補う。

太衝・風池:肝を調整して潜伏している陽を巡らす

漢方薬

天麻釣藤飲

証:肝血虚(脾胃虚弱、内傷七傷) 治:滋補肝血

症状

めまい、夜目、耳鳴り、睡眠障害、生理不順、多夢、爪が割れやすい、手足のしびれ、こむら返り、体重減少

ツボ

膈兪:八会穴の血会。

三陰交:肝脾腎の気血を巡らす。

太衝:肝の原穴。

肝兪:肝機能を促進する。

血海:血を補い、経絡を調整する。

漢方薬

補肝湯また四物湯加牡丹皮・山梔子

証:腎陰虚(虚火上炎・髄海不足) 治:滋補腎陰・潜陽

症状

腰痛、めまい、耳鳴り、睡眠障害、多夢、消渇、足腰のだるさ、五心煩熱、ひどい寝汗、顔が赤くほてる、ノドの渇き、ドライマウス、勃起不全、不妊症、習慣流産、脱毛症、歯槽膿漏、紫斑病、顔色が黒く乾燥する

ツボ

太谿・腎兪:腎陰を補う

復溜:腎陰を補い火を降下させる。

関元:元気を補う

肝兪:肝腎の真陽を補う。

漢方薬

耳聾左慈丸

証:腎陽虚(命門火衰、陽虚水泛) 治:温腎壮陽

症状

手足の冷え、足腰がだるい、早朝の下痢、消化不良、勃起不全、不妊症、うつ症状、むくみ、乏尿、無尿

ツボ

命門・関元:元気・真陽を補う・

太谿:陰陽学では陽の回復は陰から行うため腎陰を補う太谿を使用する。

漢方薬

肉蓯蓉丸

証:心腎不交(肝腎陰虚) 治:交通心腎・滋陰降火

症状

焦燥感、睡眠障害、健忘、めまい、耳鳴り、足腰のだるさ、ドライマウス、五心煩熱、夜間の異常な発汗

ツボ

神門:心の原穴・心熱を瀉する

腎兪・肝兪:肝腎の陰を補う

三陰交:脾の運化によって心腎を交通する

関元:下元の虚を補う

漢方薬

天王補心丹または交泰丸

証:脾気虚 治:益気健脾

症状

良性腫瘍、ガングリオン、手足の冷え、腹部がしくしく痛む、水様便、むくみ、お腹の張り

ツボ

足三里・中脘:脾胃を補い、湿の巡りを促す

太白・三陰交:脾の運化を促し、気血を調和する。

脾兪:脾の兪穴

漢方薬

補中益気湯

証:痰火擾心 治:清熱化痰開竅法(熱を冷まして痰を取り除き、塞がった通路を開いて流れをスムーズにする)

症状

焦燥感、睡眠障害、多夢、錯乱、精神異常、異常行動

ツボ

行間・大陵:心包の熱を瀉して、気を巡らす。

豊隆:脾の運化を促し、痰を排出させる。

人中:醒脳開竅して痰火による心神の障害を取り除く

※間使・百会:狂ったような状態。心・督脈・三陽絡を清熱し神を醒ます

漢方薬

二陳湯加味

証:気滞血瘀 治:活血化瘀

症状

うつ症状、胸腹の張ったような感覚、情緒不安定、

ツボ

膻中・心兪:気血を調整循環させる。

巨闕:心の募穴

膈兪:八会穴の血会

陰郄:急性の気滞血瘀を取り除く

漢方薬

通竅活血湯

まとめ

  1. 経絡の病:是動病、臓腑の病:所生病を分けて判断する
  2. 「証」によってはツボを使用する順番が重要になる
  3. 中医鍼灸の醒脳開竅法は治療の困難な耳鳴り症状に有効

鍼灸医療研究会の付属鍼灸院

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